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ここまで来ている!パーソナライゼーションの自動化の最新情報

コロナ禍の影響によりリアルチャネルが制限された今、顧客体験(CX)においては、デジタルチャネルへの期待が高まってきているのではないでしょうか。「afterコロナ」、「withコロナ」といったキーワードが現れるなか、今後はデジタルチャネルに比重を置いたCX戦略を進める企業が増えてくるのではないかと感じています。

インプレス社の記事(※1)によると、ユナイテッドアローズ社の2020年3月度における実店舗での月次売上高は、前年同月比38.8%減だったようです。一方で、ネット通販売上高は同23.8%増とのことで、これは顧客がデジタルチャネルで買い物するようになったことが数字で顕著に表れた結果と見て取れます。
 
また、実店舗における客単価は同4.3%減でとどまったものの、ネット通販においては同10.3%減となったとのことです。全体を押し下げた要因としては、顧客による買い控えという消費自体の落ち込みが考えられるものの、実店舗とネット通販で約6%の違いがある点が気になります。
 
これは仮説に過ぎませんが、例えば実店舗の方が服を選り好みしやすく高単価商品の購入を決意しやすい、目的の商品以外に目にとまる範囲が広く結果的にクロスセルにつながりやすい、店舗におけるスタッフの提案力や対応力が決め手となる・・・などといったリアルならではの体験が数字の差で表れているのかもしれません。
言い換えると、ネット通販という場で、いかにリアルの場に近いような顧客体験を提供できるかが客単価を上げるポイントなのではないか?という事も考えさせられます。
 
このように顧客接点が急速にデジタルへシフトしつつある今、これまでと変わらぬご愛顧を頂くためには、デジタル接点であっても変わらない、もしくはそれ以上の顧客体験の提供の実現が重要となってくるのではないでしょうか。
マーケティング分野においてもDX(デジタルトランスフォーメーション)というキーワードが注目を集めていますが、本当に価値のあるDXを実現するには、お客さま一人ひとりに寄り添った顧客体験、すなわちパーソナライズされた体験を提供し、満足度や推奨度とともにLTVが向上していくような形を創り上げていくことが理想です。これはお客さまにとっても、事業者にとっても、非常にWin-Winな取組みとなるでしょう。
 
一方、お客さま一人ひとりに寄り添った体験の提供、すなわちパーソナライゼーションを実行していくためには、お客さま一人ひとりのことをデータで読み解き、お客さま一人ひとりにぴったりのコンテンツを提供し続けていく必要があるため、中々一筋縄では実現し得ないという課題に直面されるケースも多くなってきました。

今回はこの課題に対し、最新のテクノロジーの視点から最新の情報をお届けします。
引用(※1):https://netshop.impress.co.jp/node/7474
1. パーソナライズしたくても、できない問題
アクセンチュアインタラクティブ社による調査(※2)によると、以下のような結果が出ています。
  • 2人に1人のユーザーは、オンラインまたはオフラインで「名前で個人を認識」してくれる小売から購買したくなる
  • 5人に3人のユーザーは、個人の好みや購買履歴をもとにした「(適切な)レコメンド」をしてくれる小売から購買したくなる
この示唆は、パーソナライズをすればするほどCXの改善につながり、CXの改善がされるほど購買意向が高まるということを表しています。では、実際にパーソナライゼーションをオムニチャネルで「実行していけるか?」というと、ハードルが高いというのが実態です。業務の限界を見据えると、個客単位はあくまで理想形であり、結局は数パターンのセグメント止まりになってしまうケースが多いのではないでしょうか?
 
なかでも、理想と現実のギャップの原因として多くなってきているのは、「そんなにきめ細かいレベルでクリエイティブを準備できない」という問題です。

昨今、MAやCDPの台頭により、個客単位での行動データのリアルタイムな収集と分析面での整備は進んできました。
しかし、いざ個客単位でのアクションとなると、コンテンツやクリエイティブを細かいメッシュで生み出せる仕組みを整えていないと、最後のアクションのところで、結局は誰に対しても似通ったコンテンツやクリエイティブが配信されてしまうことになってしまいます。
 
コンテンツやクリエイティブを、オムニチャネルを意識したきめ細かいメッシュで生み出すためには、クリエイティブに使うための多種多様な「アセット」を制作する必要があったり、それら「アセット」を、さらにさまざまなパターンやフォーマットのクリエイティブに仕上げる為の作業をしなければなりません。
きめ細かくなればなるほど、制作クオリティの一貫性を担保することが難しくなり、制作コストも膨れ上がり、納期のなかで制作できる業務量の限界を超えてしまうという事にもなりかねないといった、さまざまなリスクを考慮しなければなりません。
 
これらの業務リスクを最小化し、生産性を高める為のひとつのソリューションとして、クリエイティブ制作を半自動化するツールが注目され始めています。
 
引用(※2):https://newsroom.accenture.com/news/consumers-welcome-personalized-offerings-but-businesses-are-struggling-to-deliver-finds-accenture-interactive-personalization-research.htm
2. DCO(Dynamic Creative Optimization)とは?
クリエイティブ制作業務の自動化ソリューションの分野は、DCO(Dynamic Creative Optimization)という呼び方をすることがあります。デジタル広告領域で業務をされている方はお聞きになったことがあるのではないでしょうか。
 
読んで字のごとく「ダイナミックに」「クリエイティブを」「最適化する」ということができ、お客さま一人ひとりの趣味趣向、購買履歴、行動履歴、位置データ等をもとに、画像アセットやテキストアセットを自動的にパーソナライズされたクリエイティブに組み上げ、配信を実行していくことができるソリューション分野です。
 
デジタル広告領域でのサービス化はすでに進んでおり、例えばCriteo社の提供する「DCO+」はその代表的な例と言ってもよいかもしれません。Webサイトでの行動履歴等をもとに、その人に合ったクリエイティブをダイナミックに自動生成し、広告チャネルで配信するといったことが可能です。
 
一方、デジタル広告領域にとどまらず、さまざまなチャネルに対応したDCOツールも海外では登場してきています。
例えばJivox社(本社:米国サンマテオ)の提供する「Jivox IQ」は、コンセプトとして「オムニチャネルでのパーソナライゼーション」を掲げており、ダイナミックに自動生成したクリエイティブを広告チャネル、メールチャネル、Webチャネルなど、さまざまなチャネルに対しリアルタイムに配信していくことができるソリューションです。
3. DCO事例
ここでDCOの具体的な活用事例を見てみましょう。
例えば某自動車会社のユースケースでは、広告接触したクリエイティブと同じ内容のクリエイティブを、メールやWebサイトにも自動的に適用し、チャネルを超えて一貫したメッセージングを実現しています。
データ のインプットについてはWebサイトでの行動履歴はもちろん、自社で構えているCDPと接続したり、ファイルで取り込むことで連携も可能です。
 
他にも、某外資系ホテルチェーンでは、リワードポイントデータや、お客さま一人ひとりの趣味趣向、次に訪れる予定、または訪れるだろうと予測される目的地データ等をもとにしたクリエイティブをJivoxを用いて自動生成しています。
また独自のルールエンジンや協調フィルタリング、AI/MLも搭載しているため、Jivoxの中で配信ルールと自動生成するクリエイティブを統合管理できる点も特徴的な部分です。

例えば某動画配信サービス提供業者では、ジャンル・性別・年齢・アクセス曜日・アクセス時間をもとにした独自のパーソナライゼーションロジックを構築し、その人の興味があるであろう動画コンテンツを、その人の視聴する曜日や時間に沿ったコピーで配信するということを実施しています。
4. 検討の進め方。まずはCXから入る
今回はパーソナライゼーションを実行する際、クリエイティブ制作面で課題となりがちなポイントと、それを解決するソリューションについてのご紹介をしました。では、これを具体的に進めていくためには何から検討をすればよいでしょうか。
 
まず、最も重要な軸足は「CX」という視点だと弊社は考えています。
本質的に「クリエイティブ」がパーソナライズされると、どのようにCXが改善されるのか?について、議論をしていくことが望ましいでしょう。
例えばお客さまのカスタマージャーニーのなかで、Webサイトで商品の仕様を詳しく調べたいシーンでは、クリエイティブがパーソナライズされていても、期待できる効果はそれほど高くないのではないか、ということが想像できます。
一方、商品の比較検討の段階で、もはやスペックでは大差がなく、どちらにしようか決めかねているといったシーンでは、その人固有のメリットになるような情報を素早く提供してあげることができると、自社の商品を選んでもらえる確率は高くなるかもしれません。
 
次に、「アセット」をDCO用途で活用するための管理基盤や体制を整備することも重要になってくるでしょう。クリエイティブを自動的に組み上げるためには、組み上げる側のシステムが「個々のアセットがどんな情報であるのか?」を判別できる状態にしなければなりません。
 
「個々のアセットがどんな情報であるのか?」を統合的に管理し、組み上げる側のシステムとのAPIを介した連携をスムーズに行えるようにしていくためにも、DAM(デジタルアセット管理)などの管理基盤と管理体制をきちんと整備しておくことが、パーソナライズ施策を効率的に回していくためのポイントになるのではないでしょうか。

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